福岡・佐賀研究調査フィールドトリップ(その3)

4日目の午前中には、那珂川市にある平瀬先生設計の五ヶ山クロスベースの見学と、実測調査を行いました。今回の研究調査では、これまでに研究を行っている相互的情報化環境の構築による計測の調査の一環として、ドローン計測とMatterport Pro2カメラによる計測を行いました。

五ヶ山クロスベースでは、ドローンによる飛行を計3回行い、建物とその周辺の計測を行いました。

ドローンの飛行は飛行制御ソフトを用いて円形に飛行させました。

撮影した写真を使ってフォトグラメトリーをした3次元データ

午後には重要伝統的建造物群保存地区である肥前浜宿に到着しました。肥前浜宿は非常に近い位置に二つの重要伝統建造物群保存地区がある珍しい地域です。今回は特に、その片方の醸造町の方を中心に見学をしました。

まず最初に平瀬先生設計の富久千代酒造を見学させてもらった後、肥前浜宿の街並みを見学しました。

富久千代酒造はインターナショナル・ワイン・チャレンジ2011で、日本酒部門の最優秀賞「チャンピオン・サケ」に選ばれた鍋島などを作っている酒蔵です。ここでも、歴史的な酒蔵を活用したプロジェクト等を案内していただきました。

一通りのツアーの後、I-AUDのスタジオ履修生は街並みの調査のグループワークを行い、私たちはドローンとMatterportPro2カメラを用いて実測調査を行いました。今回は特別にこの肥前浜宿の酒蔵群でのドローンの飛行が許可されたので、ドローン計測とMatterportによる計測を行いました。

ドローンは計6回飛行を行い、上空から街並みを計測することに成功しました。


こちらでも同様に円形に飛行させ、写真を撮影しました。


撮影した写真を使ってフォトグラメトリーをした3次元データ

Matterportは夕暮れ時ということもあり、非常にキレイに計測を行うことができました。


Matterportの計測は3次元データだけでなく同時に写真も撮影しています。


通り沿いの建物のファサードを3次元データ化することができました。

夜には平瀬先生設計の肥前浜駅の駐輪場を再度訪問しました。

5日目は朝一番で、嬉野市にある嬉野市塩田中学校の見学をしました。

この中学校はSUEP設計のプロジェクトで、川と川に挟まれた水害の危険性の高い場所に建てられています。しかし、一層部分のボリュームをなるべく少なくして持ち上げ、非常時には渡り廊下を使って避難ができるようになっている、水害対策が施された建築です。今回は、急遽見学に行かせていただいたので、外からのみの見学となりました。

その後、佐賀市内に移動し、長崎街道・柳町景観形成地区の見学や市中心部のワークヴィジョンズの田村さんにわいわい!!コンテナ2をはじめとした、地域に根ざしたプロジェクトや古い民家の改築事例を案内していただきました。

その後、内田祥哉設計の佐賀県立美術館・佐賀県立博物館や佐賀県立図書館、坂倉準三設計の市村記念体育館を見学しました。

佐賀県立美術館・佐賀県立博物館と佐賀県立図書館は共に、昨年逝去された内田祥哉先生の設計の作品です。

市村記念体育館は管理人の方のご厚意で内部の見学もさせていただきました。近く改修がされるようでオリジナルの形を見学できる幸運に恵まれました。