多摩区の子供の外遊びイベントに参加・出展しました。

ご報告が遅くなりましたが、2021年度初めから関わらせていただいている生田出張所とその周辺の活用プロジェクトに関連して、多摩区外遊び委員会の協力のもと12月5日に開催された子供の外遊びイベントに参加、家具の設置・運営を行いました。

経緯としましては、以前、生田出張所のオープニングイベントで提案させていただいた我々の活用ビジョンにその日のフィードバックを反映してブラッシュアップし、その一歩目として家具から広がる居場所作りの可能性を探ろうと『休憩所付き屋台』を設計しました。試験的に使ってもらうためにイベントを企画したいと考え、一方で初年度ということもあって住民の方々との繋がりも多くない中で研究室主導で人に集まってもらうことは難しいと判断し、多摩区外遊び委員会の活動に参加する形で話をさせて頂きました。イベントは生田出張所のブリッジにつながる、生田小学校下校庭で毎年開催されるもので、地域団体の方々と多摩区役所の方が共同で運営しています。我々も事前の委員会にて計画と家具の説明をさせていただき、フィードバックをもらうことができました。

具体的な家具の設計としては、主要な部材はツーバイフォー材を用い、金具での接合ではなく取り合いを考えながら設計をすることを意識しました。

基本的な形態は直方体のフレームですが、左右につくバナーを取り外し可能にし、イベントごとに付け替えることが可能にしました。今回は子供たちに参加してもらうべく白い布のバナーに布クレヨンを用いて絵を描いてもらったものをバナーとして付けました。マルシェや、イベントではないときのベンチ的な運用も意識した設計で、裏表の関係を作りながら利用する子供や住民の方に楽しんでいただけるよう意識しました。構造的補強の意味もあるルーバーにはS字フックをかけることで子供の目線での展示も可能になります。フレームの補強のためのブレースは木材を使うと取り合いの問題が発生すると同時に視線の抜けや材のデザイン的なバランスが良くないため、ワイヤーブレースを採用しました。初めての施工でしたが意外とうまくいき、かなり丈夫になりました。家具の狙いは、セルフメイドのものを感じてもらうことでもの作りへの興味をまず持ってもらうこと、これを使って何かをやってみたいと思ってもらうこと、そのほかの家具への発展を期待しました。

  

当日の運営では、序盤はなかなかうまく子供達に遊んでもらえなかったもののその場で色々と工夫をし、最終的には多くの子どもたちと親の方々に使ってもらうことができました。実際に絵を描いたものが飾られることに喜んでいる子どもたちもいました。今回は昔遊びの道具の貸し出し場所兼休憩所というぼんやりとした運営をしてしまったのでなかなか思うように行かなかったのは反省する部分で、裏表を持つ形態の特徴もあるので使ってもらうための工夫や運営の方法は考えるべきだったと思います。実際に作り、使ってもらうことでの学びは多く、やはり1:1スケールをやってみることは重要だと感じました。

  

 

当日のイベントは累計300人以上の参加があり、コロナ禍の背景も踏まえた地域の要求や問題も見えたイベントだったように思います。実際に区役所の方と地域団体の方と関わることで関係性が持てたことと、各立場の方々の受け取り方やスタンスが学べたことも大きな学びになったかと思います。
引き継ぎをしながら2022年度以降も発展的にこの場所の活用について広く考えていきたいと思います。協力してくださった多摩区外遊び委員会の皆様、本当にありがとうございました。 (佐藤)