黒川農場の3Dデータ計測を実施しました!

2020年度は春学期から新型コロナウイルスの影響で実空間での学内外の演習が行えず、なかなか研究室の特徴を生かしたプロジェクトに取り組めませんでした。ようやく9月初旬に本学の黒川農場を活用させていただき、3Dデータ計測を行うプロジェクトを実施しました。田中研究室では「3次元計測技術を活用した敷地計画に関する研究」の一環として、数年前から研究室で所有する地上設置型の3Dスキャナーを活用したデータ計測に取り組んでいます。昨年度からは、アセアン地域の協定校との共同研究としてインフォーマル居住地の改善のための研究を進めており、ドローンからの空撮写真による3Dデータ計測にも取り組んでいます。今回は、そのような経緯で導入した研究室のドローンを使って、空撮した写真からフォトグラメトリーという技術を用いたソフトウエアにより3次元データを生成する方法、そして、従来の地上設置型の3Dスキャナーによりデータ計測を行う方法、という2つの方法を組み合わせて黒川農場の3Dデータ計測を実施しました。

 

9月5日:黒川農場での実習 (1日目)
1日目は、田中研究室OBの大学院生の助けを借りながらドローンからの空撮を主に行いました。 ドローンを建物近くから出発させ、撮影する位置や高度を設定した自動飛行制御ソフトを使って、建物とその周りを上空から撮影し3Dデータを生成するための素材となる写真を撮影しました。

  

空撮した写真から建物の三次元データを取得するといった手法はとても興味深かったです。 今回の作業ではドローンの操作方法、スマホを使ったドローンへの自動飛行制御の方法、フォトグラメトリーのソフトを使った写真素材から3Dデータの生成方法など学ぶことが多く、これからプロジェクトの進行により関わりたいと思えた実習となりました。

  

9月8日:黒川農場での実習 (2日目)
2日目は、地上設置型の3Dスキャナーを用いてアカデミー棟周辺と内部のデータ計測を行い、終了後にドローンの試飛行を行いました。当初は、この計測作業は前日の7日に多くのメンバーが参加して実施する予定だったのですが、雨天のため順延になったので、本日のメンバーで実施しました。途中で雨が降ってきたり、カメラの電池切れで一部のデータがうまく取得できなかったりなどのアクシデントもありましたが、なんとか夕方までに予定していた工程を終える事が出来ました。 最後には、自動飛行制御ソフトを使ったドローンの試飛行などを行い、アカデミー棟の空撮写真を取得出来ました。
  

9月10日:黒川農場での実習 (3日目)
3日目は、黒川農場の圃場上空とアカデミー棟周囲をそれぞれ、高度を変えて3回ずつ計測を行いました。前日までの作業で、基本的な飛行パターンでの空撮写真取得は完了していましたので、この日は少し違った角度や位置から写真を撮影し、データ生成の有効性を検証する作業をおこなました。

 

台風や雨天による順延もありましたが、最後に黒川農場全体の動画も撮影し、3日間で無事に全ての計測を終えることが出来ました。期間中、黒川農場の先生や職員の方々にも大変お話になりました。今回のプロジェクトを通してドローンの使い方や3次元データの取得方法を学ぶことが出来ました。今後はこれらのデータ処理方法を学び、卒業設計の敷地調査などに活用させていこうと思います。

(清水、水野、志賀、鈴木)